暗黒の歴史を照らすひかり~「黒い雨」被爆者訴訟・広島高裁判決確定

「黒い雨」をあびた原告84名を被爆者と認定、被爆者健康手帳発行を命じた広島高裁判決について、広島市・広島県が国に上告を断念するよう要請していましたが、7/26、菅義偉首相は上告断念を表明しました。これにより、原告84名ほか、広島・長崎で同じような事情の下にあったとみられる方々への救済への道が開かれました(*1)。

これまで、爆心地周辺や「援護対象区域」にいた上で、放射線起因の病気を発症した人々に限り、被爆者援護法で定める‶被爆者″としてきました。しかしながら、近年の調査では「黒い雨」はより広範囲で降ったことが明らかにされていました。
さらには、直接「黒い雨」をあびた方々だけでなく、原爆投下時、もしくは、その後、内部被ばくによる健康被害を受ける可能性がある者は疾病の発症にかかわらず、被爆者、として法的な認定を行うべき、という司法判断が示されました。

原告や弁護団、有志の研究者をはじめ、上告断念を求めた当事者運動市民的連帯➀報道等により、歴史的な転換点をえられました。2011年の東電福島原発事故後の国などによる支援対象地域の線引きのあり方にも影響を与える広島高裁判決が確定したことを支持いたします。
核利用による言語を絶する犠牲を顧み、認知すらされない甚大な被ばく被害の救済、未来を変えていくための大きな一歩です。核兵器廃絶とともに、ヒロシマ・ナガサキとフクシマをつなぐ取組み(*2)を進めていきましょう。

*1.日本被団協事務局長談話(2021.7.26)

*2.高東征二さんメッセージ(2021.1.22 ひだんれんオンライン座談会より)

2021年8月6日 東北教区放射能問題支援対策室いずみ 事務局長 服部賢治

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