遠いスタートライン

2011年3月11日に発生した巨大地震や津波、東京電力福島第一原発事故によりお亡くなりになられた方々(直接死・自死・震災関連死)に謹んでお悔やみを申し上げます。避難されている等、被災影響が続いているみなさまには心よりお見舞い申し上げます。

10年過ぎてなお、人災である原発事故により、困難を極める廃炉作業をはじめ、放射能汚染地域での営み、避難者支援のことなど、多様な課題が山積みです。

3月1日、『子ども脱被ばく裁判』の福島地裁判決がありました。遠藤東路裁判長は1分ほどの判決言い渡し後、原告や傍聴者から逃げるように立ち去りました。子どもたちを安全な環境で教育することを求め、長期低線量被ばく、とりわけ、不溶性セシウム等について従来の知見では想定されていなかった内部被ばくの危険性が懸念されることや、学校での放射性物質の安全基準が厳格性を欠くこと等が指摘されていたものの、裁判長は予防原則に立った放射線防護の考え方から逸脱し、原告親子の訴えを退けました。

養育者とともに、学校や地域、地方自治体や国(=社会)が子どもたちを保護すべきなのに、非常時の被ばくを容認し、将来的な健康影響を顧みず、放射線防護の歴史的経緯(表)や科学的真理にすら背を向ける司法判断でした。

子ども脱被ばく裁判の会 控訴声明(20210311)

放射能汚染にとどまらず、人為的要因による分断や孤立が深刻化しています。目に見えないことで、被害の実態すら私たちは知ることができているでしょうか。

いずみでは、複雑に入り組んだ放射能に関する諸課題に対し、今後も不安を持つ方々へのご支援に取組んで参ります。みなさまからのこの10年のお支えを心よりお礼申し上げます。これからもともに歩んでくださいますようお願いいたします。

小高区団第3分団第10部屯所
2021年2月28日午後2時ごろ
HORIBA Radi(PA-1000)による計測 地上約1m
小高区団第3分団第10部屯所にあるモニタリングポスト(0.082μSv/hを表示)

とあるバス停にて(福島市内
2021年3月1日午前11時ごろ
福島市内のとあるバス停付近にて 地上約1m

日本キリスト教団東北教区放射能問題支援対策室いずみ 事務局長 服部賢治

「3・11」オンラインイベントのご案内

人災である東京電力福島第一原発事故から10年。解決には程遠く、被災した方々の苦難を分ちあうオンラインイベントをご案内いたします。それぞれ事前の申込みが必要です。詳しくは画像をクリックしてご確認いただきますようお願いいたします。

20210311 チャリティーオンラインコンサートパンフ(おもて)
3/11(木)14:30~ ミホプロジェクト主催
「祈りのコンサート ひまわりの丘」

20210320 原発事故から10年 甲状腺がんの現状は?いま、当事者の声をきく
3/20(土)13:30~ 3・11甲状腺がん子ども基金主催
「原発事故から10年 甲状腺がんの現状は?いま、当事者の声をきく」

お見舞い

福島県沖が震源とみられる2月13日深夜の地震で負傷、お住まいが損壊するなど、被災されたみなさまへのお見舞いを申し上げます。瞬間的には2011年3月の揺れを上回るように感じられました。余震や大きな揺れにお気をつけお過ごしください。

空間線量測定値のご報(仙台市青葉区内)

「いずみ」では仙台市青葉区内にて空間放射線量を測定いたしました。結果は定期的な測定結果と大きく変わりませんでした。女川や福島原発などからの放射能漏れがないかどうか、国や県などのモニタリングとあわせて今後も留意して参ります。

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2月14日 午前6時30分ごろ 地表約1m
測定器:HORIBA Radi(PA-1000)

歩みだそう核廃絶へ~『核兵器禁止条約』発効

2017年7月7日、122か国の賛成により採択された『核兵器禁止条約』(外務省提供仮約 2018年12月)は、2020年10月24日、批准した国が発効要件となる50か国に達し、2021年1月22日、条約は発効を迎えました。

現段階で核保有国や核抑止力に依存する国々、また、ヒロシマ・ナガサキで原爆が実戦使用された日本は批准していませんが、核兵器そのものが国際法で初めて禁止された歴史的な瞬間、であり、条約発効の意義は小さくありません。

ヒバクシャは75年経った今も放射線被ばくや、殺戮体験による苦しみから解放されていません。二度と加害者も被害者もつくらないために、核兵器廃絶が全人類的な共通目標となることを願わずにはいられません。今後、1年以内に開かれる1回目の締約国会議や国際的協働を通して、着実な歩みを期待します。

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)声明(2020年10月25日)

NHK報道毎日新聞報道(いずれも2021年1月22日)

「核兵器禁止条約」の概要(広島市サイトより)

日本キリスト教団東北教区放射能問題支援対策室いずみ 事務局長 服部賢治

冬季休暇のお知らせ

ホームページご訪問、閲覧をいつもありがとうございます。

冬季休暇のため、下記期間、誠に勝手ながらお休みさせていただきます。

【休業期間】 2020年12月26日(土)~2021年 1月17日(日)

おそれいりますが、この間、献金やご支援についての受領証ご送付が遅れますことをどうかご了承いただきますようお願い申し上げます。

期間中、お急ぎのご用件の方はこちらにご連絡ください。

支援呼びかけ~アメリカでの映画上映のために・「Ⅹ年後」第3弾

このまま何もしなければ、核兵器や原発事故で放射能に汚染した地球になってしまう。「直ちに健康に影響ないから大丈夫…」ではありません。

放射線を浴びたⅩ年後・Ⅹ年後Ⅱ」の伊東英朗監督が、核兵器保有大国アメリカで、核廃絶のための映画上映や語りかけ活動を行うために、取材や映画制作などの資金支援を呼びかけられています。(下:伊東英朗監督によるビデオメッセージ)

福島原発事故により、未だに閉鎖された区域があるなど大きな影響が続いています。被災地に限らず、私たち、人類は、3・11以前から深刻な被ばくに晒されてきました。そのひとつが核実験です。局地戦で使用される劣化ウラン弾など、放射線被ばくという脅威について、核兵器保有国の人々をはじめ、広く捉えなおしていく活動の一環として支援のご検討をお願いいたします。期限は12月25日です。支援はネットだけでなく、郵便振替による方法も可能です。詳しくは下部の資料やサイトをご覧ください。

クラウドファンディング

フライヤーおもて

核のない平和な社会を(事務局長談話)

11月11日、村井嘉浩宮城県知事は‶被災原発″である東北電力女川原子力発電所2号機の再稼働「同意」表明を行いました。ごく一部関係者のみで決めただけで、県民・住民との合意形成はなされませんでした。福島事故の収束、現場検証もなされてません。地震多発地帯であり、過酷事故発生の可能性を否定できないのに、実効性ある避難計画策定すらなされていないことが数多くの方から指摘されています。無責任な政治判断に突き進んだ関係者への抗議の意を表明いたします。

国栄えて山河なし
福島原発事故ではいまだにふるさとに帰ることができない避難者(refugees)が多くおられます。大地や海、空を汚し、処理できない核廃棄物を膨大に残してなお栄えるクニで人々は幸せでいられるでしょうか?

宮城、そして、東北は自然の恵みにあふれています。私たちは決してあきらめることなく、原発、そして、核利用による被ばく被害のない平和な社会を希求します。

 
日本キリスト教団東北教区放射能問題支援対策室いずみ 事務局長 服部賢治

1136筆に上る署名を提出しました(原発のない女川を)

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9/18、女川原発の再稼働をしないよう求める請願署名1,136筆(10/1時点では1,149筆)を集約団体に提供しました。呼びかけに応え、宮城県内外、全国からたくさんのご署名をお寄せいただき、誠にありがとうございました!

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左:宮城県議会議長・石川光次郎氏、右:あいコープみやぎ理事長・高橋千佳さん

9/23、53もの市民団体が請願(再稼働反対)の共同提出に参加し、計29,139筆の請願署名を添え、宮城県議会に提出しました(上写真)。これは第8次分ですが、2012年の第1次以降の累計では、157,724筆に達しました。

9/26には、再稼働反対、自然エネルギー利用推進を求める市民行動(集会決議)が仙台市内で行われました。(9/27 河北報道)以下、脱原発みやぎ金曜デモ提供動画です。

今、女川原発2号機の再稼働をめぐり、重要な局面を迎えています。

女川町商工会から賛成請願が宮城県9月議会に提出され、過半数をこえる与党会派が後押しするため、採択の可能性が高まっています。(9/24 河北報道)

2019年2月議会で、知事や与党会派は多様な県民の声を反映できない、として、住民の直接請求を退けました。にもかかわらず、200万住民に説明せず、意見聴取も行わず、合意形成せず、ごく一部の声や議会勢力の力だけで、処分方法が未確立の危険な核のゴミをはじめ、未来にもかかわることを決めることが、あるべき議会政治、住民自治でしょうか?(参考サイト:みんなで決める会2019.3.15 NHK報道

原発の電気を使うのは地元でなく、ほぼ都市圏住民です。福島原発事故という、取り返しがつかない事象を引き起こしてさえ、誰かの犠牲を前提とせず、核依存のない平和な社会を未来世代にプレゼントすることが選択できないのでしょうか。

沢知恵さんチャリティーオンラインライブ

沢知恵さんチャリティーオンラインライブ支援先

北海道発、チャリティーオンラインライブのご案内です。

2年前の北海道胆振東部地震の支援を続けてきた有志のみなさまが、コロナ渦も加わり、国内外で困難を抱えておられる方々にも支援の手を差し伸べることができたらと、世界各地の教会とオンラインでつながり、沢知恵さんの生演奏をお届けします。

日本、韓国、アメリカで過ごし、両親(父・日本、母・韓国)が牧師という、多様な背景を持つピアニスト沢知恵さんが紡ぎだすメロディーに耳を傾けてみませんか。

みやぎでは、名取教会にて参加できます(要予約各地域お近くの会場でどうぞ)。普段は教会に行くことがない方もお誘いあわせでぜひ!

日 時:2020年 10月3日(土)14時~15時10分

会 場:日本キリスト教団 名取教会(JR名取駅から徒歩12分程度・map

予 約・お問い合わせ:名取教会 022(382)4396

オンラインライブ公式フェイスブックはこちら

※あくまでもチャリティーです。お金が必要かしら、とご心配せず、お気持ちで大丈夫です。

1477筆に上る署名を提出しました

トリチウム汚染水の海洋放出に反対する署名を集約団体に提供いたしました。原発事故から9年半もの月日が経ちましたが、今も事故影響を忘れず、呼びかけに応え、全国からたくさんのご署名をお寄せいただきありがとうございました。

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8/31 実行委員会事務所にて(右:いずみ事務局長 服部)

この署名について、「2020 原発のない福島を!県民大集会」実行委員会は第一次分として、8/27、経済産業省に203,389筆を提出しました。(下:提出の様子)

経済産業省署名提出
出典:「2020 原発のない福島を!県民大集会」実行委員会

その後も山のように署名が集まっていることから、9月末まで署名期間を延長され、第二次提出が設定されました。署名については今からでも間に合います。
こちら(オンライン署名)をどうぞご利用ください。

9月3日には、市民主催による、経産省との意見交換会が行われました。以下は、「これ以上海を汚すな!市民会議」提供動画(会の様子)です。

放射能で汚染された地域において、事故前の営みを回復するにはまだまだ多くの課題が山積しています。多くのみなさまとの対話や合意形成を経て、陸上保管等の対応が再検討、決められるよう、引き続きご理解、ご協力をお願い申し上げます。