絵本の紹介 「戦争が終わっても」ぼくの出会ったリベリアの子どもたち

写真/高橋 邦典
文/高橋邦典
2005年7月発行
ポプラ社

 2/26の子どもの教会からのメッセージ3回目は、 白石 雅一さん(いずみ愛泉教会員)から「戦争と少年兵」という題でメッセージを受け止めました。
 メッセージの中で、ロシアがウクライナに侵攻して1年がたち、ウクライナの子どもが連れ去られているという指摘があると紹介されました。ロシアは、その子どもたちを「少年兵」に仕立て、争いの前線に立たせようとしているのだそうです。近年、手にする武器が軽量化し、子どもでも扱いやすいという指摘もあるそうです。
 一方、ウクライナの争いがまだ激化していない地域では、木のおもちゃの銃を持ち、検問ごっこをしている子どもの姿が紹介されました。大人が始めた紛争に影響を受ける子どものこの姿が賞賛されていることが問題であることに触れました。 
 メッセージの最後に、私たちはお互いに反戦の意思を広め合いましょう、神さまが見ていてくださることを信じて歩んでいきましょうと祈りました。紛争がはじまると、親を失った子どもが生きのびるために戦いに加わる、また兵士の数が足りなくなった武力勢力が誘拐した子どもを「少年兵」に仕立てていくことが子どもの人権を守る団体から指摘されています。
 この「戦争が終わっても」という写真絵本は、西アフリカのリベリアで内戦の中を生きる子どもたちの姿を追っています。
 厳しい現実を生きる子ども達の姿が迫力がある写真と文で展開されています。
「少年兵」になったいきさつや「少年兵」をしていたことによって、学ぶ機会や経験を奪われて成長した現実をどう過ごしているかを知る手掛かりになることでしょう。どうぞ、手に取ってみてください。

絵本の紹介 「世界のともだち 18  パレスチナ 聖なる地のルールデス」

 

「世界のともだち18 パレスチナ  聖なる地のルールデス」
写真・文/ 村田 信一
偕成社
2014年11月出版 

 2/19の子どもの教会からのメッセージ2回目は 鈴木凪子さん(いずみ愛泉教会員)から「パレスチナを覚えて」という題でメッセージを受け止めました。

 鈴木さんは、聖書に書かれているイスラエルに行ってみたくて、1971年に、農業を中心とした共同体の「キブツ」で研修生としてお働きになったという大切な思い出をお話ししてくださいました。

 鈴木さんがイスラエルを訪れる前から、そして今現在もこの地は争いが止みません。今は、祖国から世界各地に散らばっていたユダヤ人たちがユダヤ人の国家建設を目指し戻ってきたことから、この地に住んでいたパレスチナの人々の領土を奪うために争いが続きます。イスラエル側に有利なように巨大な壁の建設による移動の制限、農地没収、水源地の制限など、パレスチナ側が一方的に虐げられている現実にも鈴木さんは触れられていました。

 「世界のともだち18 パレスチナ  聖なる地のルールデス」は、キリスト教徒の家庭に育つ10歳のルールデスの生活を紹介しています。ルールデスはヨルダン川の西岸地区側のパレスチナ自治区に住んでいます。

 聖書に書かれ、今なお様々な争いと複雑な事情があるこの土地に住む子どもの生活は、さぞや大変なのでは?と思い読み進めると、ルールデスのいきいきとした日常生活がたくさんの写真で紹介されています。

 この本を読んで、10歳のルールデスが2023年の今もどうか安全に暮らしていますようにと祈ります。そして、「世界のともだち」シリーズはたくさん出版されています。どうぞ、手に取ってみてください。

絵本の紹介 「男の子は強くなきゃだめ?」 「りつとにじのたね」

文/ジェシカ・サンダーズ
絵/ロビー・キャスロ
訳/西田佳子
すばる舎
2022年4月21日発行

すべての子どもが安心して自分らしく生きてほしい!という願いがこめられた絵本です。毎日の生活の中でいろいろなつらいシーンに出くわした時の気持ちの出し方についても触れています。
ありのままでいたいという自分の思いを大切にし、私たちがお互いを大切にしあい、希望をもって育ってゆける社会に近づきますようにという祈りを込めて紹介します。

文/ながみつ まき
絵/いのうえ ゆうこ
リーブル出版
2016年7月27日発行

かわいいものが大好きなくまの男の子のりつ。りつが「にじのくに」に出会い、手にした「にじのたね」によってりつは何を感じていくのでしょうか。それを受け止める同級生たちは? 
私たち一人一人がお互いのちがいを大切にし、だれかの「にじのたね」になれますように。すべての子どもたちが安心して育ってゆける社会に近づきますように、という祈りとともに紹介します。

子どもの教会からのメッセージ月間より

2022年度第2回目の子どもの教会からのメッセージ月間が始まりました。

初回は小浜 耕治さん(教会員)の「希望をもって育ってゆける社会へ」でした。小浜さんはセクシャリテイに関する活動をされています。「自分らしさの性」を大切にし、それぞれの違いを受け止め合うことを神さまはよしとしてくださっていると語りついでくださいました。

メッセージを聴く私たちに「今日のメッセージを伝えていってほしい」と話されました。メッセージのレジュメを掲載したいと思います。

2023年2月19日(日)礼拝のご案内

子どもの教会メッセージ月間

日時 2023年2月19日(日)10時30分~11時30分ごろ

メッセージ:鈴木 凪子さん(いずみ愛泉教会教会員)
      「パレスチナを覚えて」

聖書:エフェソ2章14節-16節

讃美歌:561  424

ぜひ、お誘いあわせの上、いらしてください。

2023年2月12日(日)礼拝のご案内

子どもの教会メッセージ月間

日時 2023年2月12日(日)10時30分~11時30分ごろ

メッセージ:小浜 耕治さん(いずみ愛泉教会教会員)
      「希望をもって育ってゆける社会を」

聖書:使徒言行録15章14節-21節

讃美歌:470 これも讃美歌509

ぜひ、お誘いあわせの上、いらしてください。

絵本の紹介「くつやのまるちん」

原作:トルストイ 絵:かすや昌宏
   文:渡 洋子  至光社

今回は、「くつやのまるちん」を紹介します。

この絵本はクリスマスを迎える時期に手に取る方も多いのではと思います。また、原作の「愛あるところに神あり」の短編小説を読んだことがある方も多いと思います。

いずみ愛泉教会子どもの教会では、クリスマス礼拝の日に「子どもメッセージ」として、劇に取り組んできました。

降誕劇の他に「くつやのまるちん」にも二度ほど取り組んだことがあり、スタッフの「くつやのまるちん」に対する思い入れの強さが感じられます。

家族を失い、心の中にかなしい涙をつまらせているくつやのまるちん。

ある日、うとうとしていたまるちんは「あしたいくからまっておいで」とよびかける声を聞きます。

仕事場の窓を気にしながら待ちつづけるまるちんは、寒い外にいる気にかかった一人一人を迎え入れていきます。

この絵本に出てくる外にいた一人一人の背景に思いをはせた時に、現代に生きる私たちにもひしひしと感じられる

厳しい状況を感じます。夜になり、よびかける声がまた聞こえてきて・・・。出会いを重ねたまるちんの心の中のかなしい涙はどうかわっていくのでしょうか。

ぜひこの時期、手に取って読みたい1冊です。

絵本の紹介「へいわってどんなこと」

作:浜田桂子   童心社

今回は、「へいわってどんなこと」を紹介します。

この絵本は2011年の子どもの教会の礼拝で読み聞かせをしました。

この絵本を知ったのは、2011年8月14日の朝日新聞で「日・中・韓平和絵本」の取り組みの記事を読んだことがきっかけです。「平和」をテーマに日本・中国・韓国の絵本作家12人がそれぞれの言葉で、オリジナル絵本を共同出版することになり、できあがった3冊の絵本が静かな共感を呼んでいるというものでした。

「へいわってどんなこと」はその最初にできた本の1冊です。絵本の中に「ばくだんなんかおとさない」「いえやまちをはかいしない」という文章がありますが、最初は「ばくだんなんかおちてこない」「いえやまちがはかいされない」という表現だったそうです。

でも、12人の絵本作家の率直なやり取りの中で、お互いに気づきを得て、浜田さんは作り直していかれたそうです。お互いに平和な未来をつないでいこうと、筋を通しつつも柔らかくフレンドリーに一作り上げたという記事に感動し、書店に急いで買いに行ったことを思い出します。

ぜひ、手にとってみてください。そして、隣りの国に思いを馳せ合うことができますようにと共にお祈りしたいと思います。