石巻栄光教会物語 第5回

新しい会堂

石巻に建てられた教会堂

 1930年に「石巻組合教会」の新会堂が献堂されますが、これは詩人・評論家北村透谷の妻、北村美耶子さんの力によるところが大きかったようです。
 北村美那子さんは透谷さんにキリスト教を説き、二人はジョーンズ宣教師が東京に設立した麻布基督教会(現在の日本基督教団聖ヶ丘教会)で1893年以来教会生活を送ります。しかし、1894年に透谷さんは自死してしまいます。その後、美那子さんは当時「バイブルウーマン」と呼ばれた伝道者として活動し、1899年にクリスチャン教会のネットワークを辿って米国へ留学、帰国後は公立学校の教師となります。その後、1927年に改造社『現代日本文学全集』の一冊として『樋口一葉・北村透谷集』が出版され、また、岩波文庫の一冊として島崎藤村編『北村透谷選集』が刊行されます。
 扶養家族のなかった美那子さんは、これらの印税から、石巻組合教会のステーシー宣教師の住居建築のためにと1,000円の献金を申し出ます。ステーシー宣教師は、この献金を活用し米国の仲間に呼びかけて献金を募り、総工費12,500円をもって新会堂建設を実現するのです。
 こうして、1930年に石巻市本町(現在の石巻市中央1丁目13)に木骨2階建て、総建坪42坪余の新会堂が献堂されました。

 献堂式は1930年9月24日に行われました。この献堂は、日本クリスチャン教会設立記念日と、日本組合基督教会との対等合併(合同)の両方を記念する意義深い出来事となりました。献堂式の関連行事として、仙台からバプテストの北星教会(現在の日本基督教団仙台北三番丁教会)とメソジスト教会(現在の日本基督教団仙台五橋教会)それぞれの牧師を講師に迎えた講演会が行われ、70余名の出席を得たとのことです。

1931年に献堂された石巻組合教会の教会堂