「讃美歌の原点」

出エジプト記 15章1~21節
コリントの信徒への手紙 一 6章1~10節

 

 過越の災いを経てついにファラオはイスラエル人の解放に同意し、民はエジプトから約束の地に向けて出発しました。後悔したファラオの率いる軍勢が民を追いかけてきましたが、主は紅海を分けて民を渡らせ軍勢を海に投げ込まれたのでした。この出エジプトはイスラエルの民の信仰の原点となり、今日に至っています。

 その時に歌われたという2編の“海の歌”を今日共にしました。モーセ・アロンの姉ミリアム(24414)による歌は詩編の原型を備えた大変古い賛歌であり(21節)、118節の長い歌はミリアムの歌を元にして後世に整えられたものだと考えられます。

ミリアムの歌は大変短いものですが、出エジプトの出来事を的確に主の栄光に帰しています。モーセは大いなる指導者となりましたが、その背後にはミリアムやシフラ・プア、またエジプトの王女ら命を守ろうとした女性たちのわざがあったのです(12章)。そしてこのとき、讃美歌のいわば原点が女性から発せられたのでした。

 長い歌の内、13節以降は40年に及ぶ荒野の旅や約束の地への定着の歴史など、後代のことが歌い込まれています。この歌が後の時代に整えられたからだと説明はつきますが、それ以上に神のみ業を仰ぐ信仰の眼差しは時代や場所を超えゆく視点を与えるものであることが指し示されているように思います。聖書に記されているのは何千年も前の、あるいは遥か先の出来事でありながら、それらが 2「恵みの時」 2「救いの日」となって私たちの今に及ぶのです。また信仰者は限りある自らの生が、神の永遠の中に確かに位置づけられ用いられていることを仰ぐのです。

 キリスト者は、その後新約の時代に至り私たちの世界に来られた主イエスの出来事を信仰の原点として、讃美を歌います。

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