子どもの日・花の日合同礼拝 「夢見たヨセフ」

創世記 37章3~27節

 

 “には、眠っているときに見るものと、遠い目標・願いという二つの意味があります。これら両方を英語でも日本語でもと同じ言葉で呼ぶのは、二つがどこかでつながっているということかも知れません。

 12人兄弟の11番目の息子ヨセフはあるとき、自分が作った麦の束をお兄さんたちの束が拝むという不思議な夢を見ました。それを聞いたお兄さんたちはなに、お前が王さまになるということかと怒りました。日頃からお父さんのヤコブに可愛がられるヨセフが気に入らなかったお兄さんたちは、人のいない野原でヨセフを見つけたとき19「おい、向こうから例の夢見るお方がやって来る。さあ、今だ。」と言って、ヨセフをエジプトへと売り飛ばしてしまったのです。

 でも神さまから夢を解く力を分け与えられたヨセフは、エジプト王の家来、そしてついには王の夢を解いて、この国の大臣に取り立てられました。やがてこの地方を飢饉が襲い、食糧を分けてもらいにエジプトにやってきたお兄さんたちはまさかそれがヨセフだとは知らずに頭を下げたのでした。あの夢はほんとうのことになったのです。このときヨセフは涙と共に自らを明かし、みんなは仲直りしたのでした。ヨセフの招きに応え、お父さんのヤコブをはじめみんながエジプトに移り住むことを決心したとき、神さまはどこへ行ってもわたしはあなたがたの神であると、祝福されたのでした(4634)。

 このお話は、夢を見続けることの大切さを語っています。今月3日、南三陸町でスパイダーこと八幡明彦さんのお葬式が行われました。私は今から約30年くらい前、超教派の教会青年活動で八幡さんと出会いました。与えられた命を誰もが喜びの内に生きられる社会をつくるという夢を本気で追いかけていた八幡さんは、ある意味厳しい人でした。この八幡さんが震災発生後南三陸町に入り、自然の豊かさの中で子どもたちが命を喜びの内に燃やすことを目指して“てんぐのヤマ学校”を開いておられたことを、私は全く知りませんでした。蜘蛛の学者でもある八幡さんは、南三陸の人たちから“スパイダー”と呼ばれて親しまれていましたが、先月31日に交通事故で突然召されたのでした。お葬式に集った約300名の中からは、“スパイダー、あなたの夢・働きを受け継いで、南三陸の将来をつくっていきます”との声がいくつも聞かれました。本物の夢は、どんな力にもつぶされることなく受け継がれ、平和と希望へと向かっていくということを私たちも心に刻みたく思います。

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