「乳と蜜の流れる地」

申命記 26章1~15節
コリントの信徒への手紙 二 9章6~12節

 

 主なる神が出エジプトの民に約束し、導き上らせた 9「乳と蜜の流れる…土地」とはどのようなところだったでしょう。当たり前ですが、乳や蜜が野原に流れているわけではありません。彼らは遊牧民でしたから、羊や山羊を連れていたはずです。荒れ野から肥沃で良い草の多いカナンの地に入ると、乳の出がぐんと良くなったことを経験したのでしょう。これらは生乳として、また凝乳・乳脂・バター・チーズとして生活を支えたと記されています。

 蜜はおそらく蜂蜜のことでしょう(士14:8等)。これを採取するのみならず、養蜂を知っていたらしいこともわかってきました。元々は花の蜜ですが、蜂の唾液によってブドウ糖と果糖とに分解され、さらにローヤルゼリーの成分などが加わり、それが濃縮されて栄養豊かな蜂蜜になります。

 これら 9「乳と蜜」が流れるとの語には、いくつかの示唆が含まれています。まず、荒れ野の厳しさを脱して与えられた豊かさを11「賜物」と受けとめたことです。それゆえ彼らは収穫を感謝し(1節~)、広く分け合いました。(11節~)。牧畜も養蜂も労働を必要とします。それは神の恵みへの応答であり、そこには主の慈しみのまなざしがあると語られています(11:10~)。そしてこの地は 1「嗣業の土地」ですから、次世代に大切に受け継いでゆく責任があります。今日の世界と人間が耳を傾けるべき使信があるように思います。

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