「パンの家」

マタイによる福音書 2章1~8節
ミカ書 5章1節

 

 1「イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった」、この章の書き出しに著者マタイはメッセージを込めています。

 1「ヘロデ王」とは、ローマ帝国を後ろ盾にユダヤ地方を治めたヘロデ大王(B.C.37~4在位)です。エルサレム神殿の大改修やマサダ要塞構築などの業績で知られる一方、自らの権力を守るために多くの政敵や危険分子を抹殺しました。その中には妻と二人の子も含まれています。 1「ヘロデ王の時代」とは、そのような力が支配する不安と恐れの時代でした。

 1「ベツレヘム」とは “パンの家” という意味です。その名の通り肥沃な土地であり、ルツが落ち穂拾いをしてボアズと結ばれた地として記憶されています(ルツ2:1~)。二人の曾孫がダビデであり、やがてキリストはこの地から出ると預言されるに至りました(ミカ5:1、マタイ2:6)。

 「ぶどう酒は人の心を喜ばせ、油は顔を輝かせ、パンは人の心を支える」(詩104:15)。本来享受すべきこうした恵みを分かち合えない時代に、主イエスは幼な子としておいでになりました。後に主は「わたしは、天から降って来た生きたパンである。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる」(ヨハネ6:51)と言われました。世と生けるものを恐れから解放し、神の祝福へと導き帰すために主は降誕を遂げられたのです。 1「小さき」町ベツレヘムの名は、その使命と響き合っています。

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