「W.W.J.D」

ルカによる福音書 10章25~37節
イザヤ書 6章8節

 

 N.B.Aのバスケットボール・プレイヤーをはじめスポーツ選手が着けていたことから、W.W.J.Dと刻んだリストバンドが日本でも流行したことがありました。これはWhat Would Jesus Do?の略で、まずこれを見て“イエスさまだったらどうするだろう”と考え行動しようとのグッズなのです。

 M.L.キング牧師は1963年に出版した説教集“STRENGTH TO LOVE”(邦訳『汝の敵を愛せよ』)の中で、今日のサマリア人の譬を論じています。

 半殺しにされた人を見捨てて行ってしまった31「祭司」や32「レビ人」と、当時の黒人差別の課題を重ね合わせつつキング牧師がまず問うているのは、私たちは29「隣人」の範囲を勝手に限定していないか、という点です。善良な人間が不当で残酷な黒人差別をなぜ放置できるのか、それはアメリカ独立宣言(1776年)の“すべての人間は平等に造られている”を勝手に“すべての白人は平等に造られている”と読み替えているからだ、と指摘しています。

 一方、33「サマリア人」は自らの危険も顧みずなぜこの人を助け起こすことができたのか、それは彼が“もし助けなかったら、この人はどうなるだろう”と“私”ではなく出会ったその人の立場で考えたからだ、とキング牧師は言います。

 “私”を越える視点に導かれること、それはたやすいことではありませんが、そこから私と社会を変える一歩は始まるのだと思います。

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