2011 クリスマスメッセージ

 聖書の原語では“時”を表わす単語が、“クロノス”と“カイロス”と時々で使い分けられています。“クロノス”は、機械的に流れゆくふつうの時、“カイロス”はほかの時と取り替えることのできない特別な意味をもった瞬間を指します。

 誕生の時・出会いの時・人生を完成して召される時…、私たちもそれぞれ大切なカイロスをもっていますが、この世界を大切に思うがゆえに神ご自身が人となって降られたクリスマスの出来事こそ最大のカイロスなのだと聖書は語ります(これを受け止めて歴史は、キリスト誕生を境としてB.C. 、A.D. と区切られています)。

 いっぽう思うのです、今年の3月11日もカイロスだったのではないかと。あの時をほかの時と取り替えることはできないからです。では、あの時にどういう意味があったのでしょう。答はなかなか与えられないのですが、少なくとも今それを問うことをやめてはいけないのだと思っています。他方3月11日を、二度と同じ悲しみを繰り返さないための転換点としていく責務を私たちは負っている、とある人から教えられました。復興を求める働き、安全を求める働き、共生を求める働き、あの大きな負のカイロスを少しでもプラスに転じていこうとの取り組みは今も続けられています。

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