「その幻を見たとき」

使徒言行録 16章6~15節
詩編 23編1~6節

 

 長年の同労者バルナバとも別れたパウロは、「シラス」(15:40)・ 1「テモテ」を連れて第二伝道旅行に出発しました。興味深いのは、ここで突然10「わたしたち」との一人称が現れることです。“我ら部分”と呼ばれるこうした個所は16:10~17、20:5~15、21:1~18、27:1~28:16にあり、パウロの同行者が記した旅行記だと考えられます。使徒言行録の著者ルカが書いた可能性もあります。いずれにしてもアンティオキア教会を離れたパウロは、少数の仲間とこれ以降の働きに向かったのでした。

 ところが一行は 6「アジア州で…語ることを聖霊から禁じられ」、さらに目指した進路も 7「イエスの霊」により阻まれるのです。具体的にはよくわかりませんが、計画は頓挫し意気阻喪し苛立つような状況に追い込まれたということです。第一伝道旅行で聖霊の導きと励ましに支えられた(13:4・52等)パウロは、でもこのたびの逆境にも自らの思いを超える神の指し示しを見たのでした。

 そのような中で見た幻に応え、一行はへレスポントス海峡を渡り 9「マケドニア州」へと上陸しました。こうして彼らの思いを超えて、福音はヨーロッパにもたらされることとなったのです。

 詩23編は、時に厳しく響く 4「鞭」 4「杖」も命への導きであり励ましであると語ります。試練をも含めて羊が羊飼いを信頼して安んじるように、主なる神の導きを仰ぎたく願います。

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