「福音の真理に立ち留まる」

使徒言行録 15章36~41節
ガラテヤの信徒への手紙 2章9~14節

 

 36「バルナバ」は回心直後のパウロを教会へと仲介し(9:27)、アンティオキア教会で同労者となり(11:26)、第一伝道旅行で苦楽を共にした(13:2)人物です。が、ここで二人は39「激しく衝突し…別行動をとる」ことになったのでした。その理由について、使徒言行録は第二伝道旅行の同行者を巡る不一致と記しますが、ガラテヤ2:11~はより深い理由があったことを示唆しています。

 事は、エルサレム会議(15:6~)での協議不徹底から起因したようです。福音に律法の軛は必要ないと確認したはずなのに(ガラテヤ2:6)、ユダヤ国粋主義が高まる中 12「ケファ」=ペトロ・13「バルナバ」らは律法規定に気を遣い、ユダヤ人・異邦人共同の食卓から離れていったのです。異邦人に律法を強いている訳ではない、との言い訳もあり得たかも知れません。がそれは、パウロから見れば主イエスの十字架の福音に別の物を持ち込もうとの14「福音の真理」を曲げる行為にほかなりませんでした。

 記されているように衝突は深刻なものとなり、パウロは長年働いたアンティオキア教会を離れ、少数の仲間らと共に第二・第三伝道旅行に向かうことになります。

 顛末を記した後、パウロは熱を込めて主イエスの十字架による救いを論じ、キリストの恵みに照らされるとき「ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由な身分の者もなく、男も女も」ない(3:28)解放と友愛が訪れると書き記しました。

 14「福音の真理」に立ち留まるがゆえにパウロは厳しい道を選び取りましたが、それは主イエスが指し示された「真理はあなたがたを自由にする」(ヨハネ8:32)その喜びに向けての出発でもあったのです。そしてその旅路は歴史を貫き、今日の私たちにも託されています。

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