2016 クリスマスメッセージ

16-%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%9e%e3%82%b9%e3%81%a1%e3%82%89%e3%81%97

 振り返って5年前の震災発生からしばらく、町からいろんな音が消えたように感じたのを覚えています。停電だったこともありましょうが、大きな声や音をあげることなく皆が日々を過ごしました。私たちが再び歌声をあげられるようになったのは、いつ頃だったでしょうか。

 上の絵は、15世紀フランドル派の画家H.グースの代表作といわれるポルティナーリ三連祭壇画の中から“キリストの降誕”の一部です。降誕された幼子キリストを羊飼いたちが拝し、天使たちが賛美しています。「あなたがたのために救い主がお生まれになった」と告知された羊飼いたちは、駆けつけた家畜小屋でキリストを見いだし、この救い主が自分たちのために来られたことを確信したのでした。なぜなら家畜小屋は、粗野で不潔だと日頃疎んじられている羊飼いたちも心おきなく入っていける場所だったからです。

 やがて彼らは待ち受ける仕事へと再び帰っていきましたが、帰路にある彼らの口には賛美の歌声があふれていたと福音書は記します。このとき与えられた歌声は、彼らの中で日々の課題をも乗り越えて歩み行かせる力となったことでしょう。

 皆の口からため息や不安ばかりが多くのぼる、今日の世界のあり様です。しかしその世界の悩みを共に分かち、希望を灯すためにキリストはおいでになりました。課題を越え行く歌声を私たちも与えられ、共々に歌う者とされたい、そう願います。

コメントは受け付けていません。