「自由への決断」

使徒言行録 10章1~20節
エステル記 4章12~16節

 

 各地の教会を巡り歩いていた(932)ペトロが、神を求める異邦人たちと出会った場面です。しかし当時、両者の間には隔ての壁がありました。ユダヤ人は選民思想に立つ律法を持ち、異邦人との交流を避けていたからです(28節)。これを常識のように、教会またキリスト者は受け継いでいました。加えて 1「コルネリウス」は、ユダヤを占領支配するローマ帝国の駐留軍隊長でした。

 この両者に、主が働きかけられました。コルネリウスはペトロを招けと促され(5節)、ペトロは一つの幻を与えられました(1116節)。それは、旧約以来食べることを禁じられているもの(レビ11章等)を食べよと繰り返す、不思議なものでした。

 この幻の意味を計りかねていたペトロのもとに、コルネリウスからの使者が到着します。なおたじろぐペトロの背を押して、主は両者を出合わせました(20「ためらわないで」は田川訳では「差別しないで」)。

 のち出会いを深める中で彼らは、隔ての壁を超えて共に福音に与ることこそみ旨であり、その自由と恵みに向けて主が自分たちを導かれたのだと知るに至りました(34節)。同時期に、迫害によって散らされた信徒らによってアンティオキアの地でも異邦人に福音が宣べ伝えられ(1120)、教会はユダヤ人・異邦人の隔ての壁を乗り越える新たな時代へと踏み出していきます。

 新たな時代を備え、これを導かれたのは主ご自身でした。と共に、与えられた17「幻」に彼らが決断して歩み出していったときに自由と恵みは現実のものとなったとの指し示しを心に留めたく思います。

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