「嗣業-受け継ぐべきもの」

ルカによる福音書 18章18~30節
申命記 32章3~11節

 

 8・9「嗣業」という言葉は旧約聖書によく出てきますが、広辞苑を開いても載っていません。この節にあるように、主によって分け与えられ受け継ぐべき財産、特に土地を指します。イスラエル人にとっての嗣業の土地は重要なもので、他人が買ったり奪ったりできないものでした(列王記上21章など)。

 加えてここには、民が約束の地を割り当てられたように 9「主に割り当てられたのはその民」との印象的な言葉があります。ここには、見出された取るに足りない民を(7:7)主が捨てることなくわがものとされ続けるその愛が指し示されています。

 18「ある議員」が主イエスに訊ねた永遠の命を18「受け継ぐ」には、との語はこの「嗣業」を動詞にしたものです。神の国は、その民に約束され割り当てられた大切な祝福だとの理解がここにあります。このとき主イエスは22「持っている物を…分けてあげなさい」と諭されました。あなたが手にしているものの中には種々の嗣業があるはずだ、それを独り占めしていて神の国の恵みだけを18「受け継ぐ」ことは難しい、と主は言われたのだと思います。

 22「持っている物をすべて売り払」うことが、神の国を受け継ぐための条件なのではありません。主はその嗣業である小さな民に、喜んで神の国をくださると述べられているとおりです(27節、12:32)。でも取りも直さず、嗣業は共々に受け継がれるべきものであり、これを分かち合うとき私たちは神の国の喜びにあずかるのです。震災に際して、持ち物を時間を働きを捧げ分かちあった中でみんなが体験したとおりです。

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