第68回会津農民福音学校

2003年2月11日

 68年間続いている(これって、すごいことやで)会津農民福音学校を会津農村伝道センター主催で今年も意味深く開催! 40名の参加者がつどい学び考えさせられました。

  ■主題:「21世紀は農業の時代〜聖書に立つ農業〜」

  ■講師:三友盛行さん

日本一周無銭旅行を体験後、北海道中標津町に入植。農協組合長を歴任しつつチーズ工房を設立。ユニークな働きを展開する酪農家。「マイペース酪農」を提唱。規模拡大/多額借入金に向かう日本農業へ警鐘をならし、農業の豊かさと喜びを全国で語り続けている。

メリランTIMESより転載 ルポ:鹿目 浩(CHA)編集長

 MERRY LANDがなぜに農業の講演会の取材をするのかという人もいるでしょうが、農業が発展しないでは会津が発展できないと思うからです。さらに、この講演が「21世紀は農業の時代」とあっては聞き逃すことはできないでしょ。
 講師は、北海道中標津町で酪農を営む三友盛行さん。東京生まれの彼は、18カ月に及ぶ日本一周無銭旅行の後に農業をしたくて23歳の時に北海道に入植します。何もない荒地を開拓し、草しか育たない土地なので牛を飼うことを始め、一本の木もないところに豊かな農園を築いた苦労は大変なものだったと思います。でも、彼の口からは「楽しかった」という言葉しか出てこないのです。いやいや、私たちの想像を絶する苦労があったに違いないのですが、それを笑い話にして語る彼の逞しさにはただただ頭が下がります。
 やがて彼の酪農は軌道にのるのですが、いろいろな疑問も出てきました。たくさんの乳を出させるために外国産の穀物を与え、牛の寿命を短くしてまでも生産量にこだわり、もっとたくさんの牛を飼わなければ経営が成り立たない仕組みに疑問を感じたのです。彼は今までの考え方の過ちに気づきました。農民は何にも作りだせない。牛乳を作るのは牛、草を作るのは大地だと。つまり、乳牛が主人公で農民はその助け手にすぎないのではないかと。その主役の牛のことを大事に考えた酪農をしなければならないと「マイペース農業」を始め、安心・安全な生産物を食卓へ送っているのです。
 ちなみに、出産経験が3回というのが平均的な乳牛だそうですが、彼の飼っている牛は7、8回が普通だし、13歳という長寿の牛がいることでも有名になっています。牧草で育て、昔ながらの世話をしてあげれば健康な牛になり、安心して飲める牛乳ができるのです。
 そして、「立ち止まる」ことも必要だという彼の持論には驚かされました。酪農の経営が成り立たないから乳牛を増やしたり、穀物を輸入したり、大きな機械を買ったりして成長しようということではいけない。立ち止まり、今の生産からできる利益に見合った生活をすればいいし、大型化するだけが生き残る道ではないというのです。
 そして、これは農業だけの話ではないと思うのです。一人の人間として生きるために必要なことではないでしょうか。戦後の日本は立ち止まることを嫌い、成長し経済大国といわれるまでになりました。馬車馬のように働き、ふっと我にかえったらなにかが変だと気づいた人も多いはずです。立ち止まってみましょう。そうすれば、自分の生活、地域の経済、日本の経済が見えてくるし、その先にある地球規模のいろんな問題までも見えてきます。
 これから農業に従事しようと考える人たちにエールを送るとともに、21世紀の明るく、楽しい農業に期待できる有意義な一日でした。地元の農家の方が作った野菜を使ったカレーライスがとても美味しかったのもグッドでした。ご馳走様でした。ペコリン。

■著者近影:カレー男(あ、すまんバラしてもた…)

開会礼拝、パネル・ディスカッション、カレーパーティー、講師を囲んで…など盛り沢山でした。

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